124078 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

☆春節(旧正月) の前日。。。



☆彡 春節 (旧正月) の前日。。。


その日の午後、午後のまだ夕食には早い時間から、お父さんがなにやら
食事の支度に忙しそうにしていた。

「こんな早くから、もう夕飯の支度をするの?」と連れに尋ねると、
今日は旧正月の前日 (日本の大晦日) だから、この日はどこの家でも
餃子を作って、夜は餃子を食べながら年を越す、とのこと・・・

なるほど。。。日本の年越しそばと同じ意味だな。


そうか。。。あしたから中国は お正月なんだ。。。


中国の風習は、なんとなく日本と似てるところがあるんだな。。。

そんなふうに思いながら、様子を見ていると、
しばらくして、直径30~40センチくらいの大きなボールに
出来上がった餃子の餡が食卓のところに運ばれ、
少しして、手作り風の餃子の皮が出来上がるごとに、テーブルに運ばれ、
連れのお兄さんの奥さんと、お母さんと餃子を包み始めた。

台所ではお父さんが、こねた粉を細い棒状にまとめ、小さくちぎっては
細めの棒を器用にくるくると転がし、小さく丸く伸ばしていた。

餃子の皮はこうやって作るんだ。。。興味津々に私は見ていた。


しばらくして、私も包むのをやってみた。

日本の餃子みたいにプリーツ状にヒダをつけて包んで並べていくと、
お母さんがなにやら、私の包んだ餃子を見て言った。
「とても上手…」と言ってくれたようである。

皆のを見ると、私のとはちょっと違った。
ヒダが同じ方向に向いていなくてコロンとした丸っこいかんじ。

真似しようとしたが、上手くできないので、やはり日本の餃子方式?で
包むことにした。


昼間からちらほら外でバリバリ…と、爆竹の音が鳴っていたが、
夜が近くなるにつれて、ますます音は激しくなった。
聞いてはいたが、こんなに激しい音は想像もしていなかった。

バリバリバリバリ…バラバラバラバラ…と、
まるで大粒の雨がトタン屋根を勢いよく、叩きつけているように 
絶え間なく響く。


夕方連れのお兄さんが爆竹を買ってきたらしく、暗くなった頃に
外に爆竹を鳴らしにいった。

赤く連なった機関銃の銃弾…のように爆竹は、7~8センチの細長い棒状の紙に
巻かれた火薬が縦にぎっしり連なって、1メートルくらいの長さになっている。


他の激しい爆竹音の中で、こちらも竿のような棒に長くつるした爆竹に火をつける。

そばで聞く爆竹音は、鼓膜がビンビン響くほど大きくて、思わず耳をふさいだ。


外では家の戸口で火を焚いているのが、ちらほら見える。
焚き火でもしているのかな。。。そう思っていた。

あっという間に、爆竹1枚が終わり、また次…と、立て続けに
5枚くらい、一気に連続 爆竹を鳴らし、その間中、耳をふさいでいた。

ようやく、爆竹を鳴らし終えて、家に戻った。


聞くところによると、爆竹には "新年を迎える前に厄を払い落とし、福を呼ぶ" 
…という意味合いがあるようだ。

そして、焚き火なのか…と思ったあの家の戸口で火を焚いていたのは、
"亡くなった近しい人々の霊が家に帰って来れるように、霊を導く"
…という儀式のようだった。

日本のお盆と同じような風習だ。


夜になり居間の方のテーブルに、幾種類もの涼菜や炒め物などが運ばれ、
ホカホカに湯気が立ち上がった餃子が運ばれた。

テレビでは、日本の大晦日の紅白歌合戦…に相当するらしい
恒例の歌番組をやっている。

ビールを飲みながら、テレビを見ながら、つまみや餃子を食べ 
和やかに年越しが、始まった。


中国の歌はみんな、甲高い声で歌うオペラのようだな。。。
よく分からないながらもテレビを見ながら、
私は歌よりも餃子・・・と、餃子に舌鼓を打った。

黒酢をつけて食べる中国の餃子・・・


おいしい。。。


お父さんが私に、"り・ょ・う・り・は・ ど・う・で・す・か?"と
日本語で聞いた。

「おいしい…」 と言うと、"おいしい"の日本語も知っていて、
「お~そうか、よかった、よかった。。。(^_^)」 というように、
「ハオ、ハオ。。。」と言って、にこにこうれしそうに微笑んだ。

当時の私でも"ハオ"…は、"好"という字で、"よい"…という
意味合いがあるのはなんとなく知っていた。


日本の焼き餃子とはまた違う。。。
    初めて食べる中国の餃子は後を引くおいしさだった。



中国家庭料理をたっぷりとご馳走になりながら…

夜も深まり、もうすぐ年も明ける頃。。。

        
   爆竹の音はますます激しさを増していった。




☆彡 春節・・・新年が明けて。。。へ続く










© Rakuten Group, Inc.